妄想

図書館が閉鎖されているのは辛い。

仕方がないから梅田の本屋に行っている。気分転換にもなるし

年寄りには健康維持にも役立つ。

バス、電車を使うが、車中では本を読んだり、飽きてくれば

人間観察に没頭する。

外見から想像、妄想するのだが、どこまで物語を膨らませることができるか。

気持ちが高揚しているのはこれから恋人に会いに行くのか、ドア付近の女性は昨夜、恋人と些細なことで諍いをおこし、そのことが心を重くしているのか。電車の外ばかりを見やっている。

マスクで表情が読み取りにくい。身体全体から滲み出てくる雰囲気で創作するほかない。

一つのストーリーに仕上がったらいいのだが、大概、梅田の終点につくことが多く途中で終了だ。

しかも、ステレオタイプなものだ。そして、

改札を出たら記憶にも残っていない。